APIリファレンス
APIリファレンスに記載されるメソッド説明などの書き方です。
- メソッドや関数の説明は三人称単数の動詞で書き始める
- パラメーターや戻り値の説明は文にしなくてもよい
メソッドや関数の書き方
メソッドや関数がどのような動作をするのか、最初の1文で簡潔に説明します。その後、必要に応じて詳しい情報を記載します。
最初の説明文は三人称単数の動詞で書き始めます(例:Creates、Deletes、Returns)。これは文の主語(「This method」など)が省略された形と理解できます。主語を省略して動詞から書き始めることで、動作がすぐに把握できます。
なお、現実には動詞の原形(例:Create)を使う例も多く見られます。本スタイルガイドでは三人称単数の動詞としていますが、プロジェクトや組織の方針に合わせて変えても問題ありません。
例1
deleteColumn(columnPosition)
Deletes the column at the given column position.
(引用元:Google Developers、2023-02-28閲覧)
例2
getSize
<中略>
Returns the size of the auto text dictionary. The return value can be zero if there is no auto correction data available for the current locale.
(引用元:Android Developers、2023-02-28閲覧)
よく使われる動詞
メソッドや関数の説明によく使われる動詞がいくつかあります。書く際の参考にしてください。
動詞 | 意味 | 補足 |
---|---|---|
add | 追加する | |
check | 確認する | 「checks whether (if) ...」の形。戻り値はブール値のことが多い |
construct | 生成する | コンストラクターの説明で使われる |
create | 作成する | |
delete | 削除する | |
determine | 判別する | 「determines whether (if) ...」の形。戻り値はブール値のことが多い |
get | 取得する、獲得する | |
indicate | 示す | 定数などの説明で使われる |
remove | 削除する | |
retrieve | 取得する | |
return | 戻す | 戻り値が何であるか説明するのに使われる |
set | 設定する | |
update | 更新する |
パラメーターの書き方
メソッドや関数のパラメーター(仮引数)に説明を加えることがあります。説明は文断片(主語と述語動詞が揃った文ではない)でも可で、末尾にピリオドを付けます。例3と例4にあるパラメーターの説明(Description)はどちらも文断片ですが、ピリオドで終わっています。
また、ブール値以外のケースでは、できるだけ冠詞を付けます。定冠詞(the)または不定冠詞(a)で、例3では2つもthe、例4ではaとtheが使われています。
例3
Parameters
Name Type Description columnPosition Integer The position of the first column to delete. howMany Integer The number of columns to delete. (引用元:Google Developers、2023-02-28閲覧)
例4
Parameters
locale string A locale code for the locale format rules to use. width FormatWidth The format type. (引用元:Angular、2023-02-28閲覧)
戻り値の書き方
戻り値の説明もパラメーターと同様に文断片で可で、末尾にピリオドを付けます。
ブール値以外のケースで冠詞を付ける場合、定冠詞(the)とします。
例5
Return
Sheet
— The new active sheet.(引用元:Google Developers、2023-02-28閲覧)
戻り値がブール値の場合、文脈に合えば「True if ..., false otherwise.」の構文も使えます。「もし〜ならtrue、そうでなければfalse」の意味です。
例6
Return
Boolean
—true
if the column is hidden,false
otherwise.(引用元:Google Developers、2023-02-28閲覧)
例外の書き方
見出しが「Throws」で始まる場合、「if ...」で書き始めて問題ありません。
例7
Throws
Error
— if the provided conference ID is too long.(引用元:Google Developer、2023-02-28閲覧)
例8
Throws
Error
if called outside of a supported context.(引用元:Angular、2023-02-28閲覧)
文として書く場合は「Throws an exception (error) if ...」のような書き方ができます。
例9
Throws an exception if the given title is
null
or empty.(引用元:Google Developers、2023-02-28閲覧)
例10
Throws an
AssertionError
if there is no scroll parent.(引用元:Android Developers、2023-02-28閲覧)
また、例外クラスの説明であれば「Thrown when ...」のように説明を書けます。
例11
HttpDataSource.InvalidContentTypeException
<中略>
Thrown when the content type is invalid.
(引用元:Android Developers、2023-02-28閲覧)
関連資料
- Google developer documentation style guide
- Microsoft Style Guide